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認知症の診断

成人に達してから、知能の低下が生じる状態を認知症といいます。認知症の診断の第1の根拠となる症状は、生活に支障をきたすほどの知的能力の低下があるかどうかです。これらの見当識障害や、記憶力、記銘力を評価するのにいられるのが、長谷川式簡易知能評価スケールです。異常に関するテストは含まれていません。認知症と思われるケースでありながら、正常と判断されてしまうこともあります。そのため、実際の診断にあたっては、異常な行動、幻覚、妄想の有無などを詳しく聞き、診断を正確に、確実なものにします。

妄想には、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症があります。

診断には、CTスキャンや脳波、血流検査(SPECT-PET)などが、補助診断として使われ、アルツハイマー型か脳血管性型かの判断が程度つきます。
認知症は、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍などからの二次的症状として生じることもありますが、鑑別にも有用です。

認知症の原因

認知症には、主として次の3つの型があります。

●アルツハイマー型認知症
●多発梗塞性認知症(脳血管性認知症)
●上記のふたつの混合型

これら3つの型のなかで、アルツハイマー型認知症の原因は現在のところ、明らかではないというのが実状です。ただし、アルツハイマー型認知症の場合、次のような特徴をもっていることがわかっています。

●脳の神経細胞が激減するため、大脳全体が萎縮します。さらに詳しく観察すると、神経細胞に独特の変化がみられ、これを「アルツハイマー原線維変化」と呼んでいます。

●神経細胞の外側に、アミロイドと呼ばれるたんぱく質が沈着しています。これを、「老人斑」といいます。

●「原線維変化」と「老人斑」が最も多く認められるのは、大脳皮質においてです。

その他、染色体の異常が関係しているのではないか、という説もあります。というのも、ダウン症の人が成人に達したときの脳の状態が、アルツハイマー型認知症の場合と酷似しているからです。

アルツハイマー型以ではない、認知症の型、多発梗塞性認知症(脳血管性認知症)の場合、動脈硬化や高血圧に基づく脳梗塞の多発が重要な原因のひとつになります。多発梗塞性認知症(脳血管性認知症)をもつ患者さんの脳を見ると、ほとんどの症例で脳に小さな傷がたくさんあることがわかります。これが梗塞巣です。また、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍などでも、二次的に認知症症状を起こすことがあります。



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